時間貧困

時間の余裕がある人を私は以前「金持ち」になぞらえ、「時持ち」と称した。八百屋さんの店頭での店主と高齢の常連顧客のやり取りから、ヒントを得た言葉であった。お金だけがあればいいのではないという趣旨も含む、豊かな老後へのヒントの造語でもある。                                           2022年8月21日の日経新聞、「子育て世代の『時間貧困』」の見出しが心にひかっかる。主要7か国の調査結果によると、日本が最も少ない。母子家庭での時間貧困はさらに深刻と続く。要因の分析も一部記されていた。働ければそれだけ所得が増加とそのため時間が少なくなるというだけのサイクルではない。時間の貧困が、所得の貧困になっている。所得の余裕と生計の基盤としての心の余裕を支える『時持ち』を両立できるためには無形、有形の支援をと思う。世代間の問題ではない。