毎年、晩秋になると岩手の農園にリンゴを注文する。2020年もそろそろと思っていると、その農園から封書が届いた。注文書が送られてきたと思い、開封すると、ことしは注文に応じられないという趣旨の内容だった。春先の気温が高めのため10日ほど生育が早まった。そのため一番の芽吹きから開花期で凍霜害が発生。実がなっても小ぶりやそもそも実の少ないためという。自然を相手の仕事は、暖かくても、寒くても、そのタイミングはずれると、期待していた成果に結びつかない。その成果も出荷を前に台風の被害にあることもある。悔しいリンゴの気持ちが記された手紙だった。