バイアス

『彼のあのグリグリとした超肉食系男子の目がまず真っ先に飛び込んできます。男性である自分がみても感じるのですから、いわゆる女性をやです。』ここまで読んで、「はて、著者は男性だったの!女性ではなかったのか。」と少々驚く。

『男もすなる日記といふものを、女もしてみむとて』は土佐日記。こちらは読み手が勝手にそれも無意識に思い込んでいただけだが。家人は逆に男性だと思っていて読み進んでいた。とのこと。思い込みにも理由がある。表題には著者名の記載がない。美術ブログを編集して出版したこの本には、美術鑑賞をいかに楽しむかを愛好家目線で書かれたものである。(あとがきP254 著者名記載あり)

男性だから女性だからといって、主要な内容に差があるはずもない。男性が書いたのか女性が書いたのかも特段意識せずに読みだしていた。が、自分の自動バイアスに驚いたのである。P98に読み進んだところ女性じゃなかったと気がつかされたのだった。(いちばんやさしい美術鑑賞 青い日記帳 ちくま新書)