こういえば、ああいう。

チャーチルがケインズに送った手紙に「私はルーズベルトと会っていると、しだいにあなたの考えに近づくのを覚えます。」(P12 『ケインズ』 岩波新書 伊藤光晴著)その返信は、「わたくしの考えに近づかれたとのことですが、残念なことに私は今考えを変えたばかりです。」とあったという。さらにチャーチルは「同じ質問を7人の経済学者に発した。ところが得られた答えはみなちがい、8つであった。しかもそのうちの2つはケインズからだった。」とやりあったという逸話を読んでにんまりした。本書のなかでは、両者の確執がこのやり取りの背景であったとしている。それにしてもイギリス流ユーモアの溢れている。