指揮者の後ろ

地元のアマチュアオーケストラの定期演奏会に足を運んだ。今までは知る由もない領域の扉はいとも簡単につながっている。学生時代のOBOGの大人の音楽クラブの先輩が、地域は異なるが、地元のオーケストラに参加して定期演奏会へ招待してくれる。それにここ1年ようやく聴きに伺うようになった。1都1県をまたぎ聴きに行くのは少々大変と思っていたが、動いてみれば大したこともなく、こういう場所があるのだという知らない街へふらりと、小旅行という気分も心地よかったためである。                                        そこで今回のチラシが配布された。地域密着の連携であろう。プロの指揮者とバイオリンソロがプロ演奏家ということもあり、ではと赴いた。女性の指揮者とその経歴に興味が湧いたのも動かされた一因だった。指揮者の真後ろ、一階会場で陣取ることができるのも地元会場の良さである。                                   当然ながら、指揮者は指揮者である。性別はない。この楽団のレベルを最高値に挙げるために、盛り上げる。アマチュアゆえのシャイさも感じつつも、音楽の楽しみは意外に近くにあり、扉を開けてこちらがやってくるのを待っていた。