先輩から2冊本が送られてきた。回覧図書である。同窓の別の先輩の本であった。『音で見る心も色も』という表題にまず目が行く。音に色があるという以前読んだ『ドレミファソラシドは虹の七色』のような『共感覚』の本かなと思い手にする。ところが、本の扉を開くと、この先輩は20歳前後に視力障害発症した中途視覚障害者であると記載がされていた。その後、養護学校の先生をされていた。自らの立ち位置から、文学に表現されている視覚障害者像をまとめたものであった。こうしてまとめた物を読んでみると、文学の中での視覚障害について取り上げたものが少ないくない。と知る機会にもなった。現在は以前よりも目から入ってくる情報量は膨大である。視力の衰えは誰にとっても恐怖である。情報から除外されていくことにつながる。その中で、音で見る心も色もあるという表題が読み終わりにまた響く。