何のための教養か

アリストテレスは、教養とは幸福な時には飾りであるが、不運な中にあっては、命綱となる。』と言わしめている。命綱とは、意訳で、『何のための教養か』ちくまぷりまー新書329 著者はあえて、命綱と訳している。避難所という言葉ではなく、あえて命綱と日本語で表記して、自らの心のうちにあって、自分を守る力、自分自身の中に形成された生きるための底力」と定義している。幸福な時でも、単なる飾りではないが、その真価を問われるときこそ、「底力」として発揮しうるものが教養であると、私は理解した。(何のための教養か 桑子敏雄著)