クレイジーキルト

布は高かった。商店街にはその昔、生地屋さんが店を張っていた。好きな生地を購入して、自分で仕立てる。また、仕立ててもらい、誂える。それが、既製服が一般的になると、手軽に安い、さらにデザインも多様で、仕立てもいい。洋服用の生地屋さんが商店街からは見当たらなくなった。                                 米国開拓時代、傷んだ衣類や余り布を無駄なく再利用するために、生活の知恵として小さな布片を継ぎ合わせ、キルティングを施して布団(キルト)を作り、これが広く普及したパッチワーク キルティング。いまでは、手芸として、愛好家を多い。                                                     知人から、作品をいただいた。丁寧に作られたものだ。思いもがけない品に、35年以上前の自分の適当なパッチワークにその作品を重ねて、飾ると、双方引き立て合って、信じらないクレイジーな作品に。埋もれていた端切れが出会いとともに。巡り巡って。