カズイスチカ

 ぼんやりとした不安と希望、何者にもなれる選択の自由と、そう思えいても、さて何をすべきか、曖昧模糊としている若者がいる 『勿論発見も発明も出来るならしようとは思うが、それを生活の目的とは思わない。始終何か更にしたい事、する筈の事があるように思っている。しかし・・・』兼業・副業・複業叫ばれている21世紀の日本だが、それよりも前の時代の変革時に、文理両刀で道を切り開き、それぞれの頂点に到達したと、仰ぎ見られる森鴎外自身にも若き日にも朦朧とした不安感と希望が浮かんでいた。第1回の鴎外講座では、江戸時代からの蘭方医の父親と、明治時代、新技術を会得、西洋医術を習得した新時代の若者を、それぞれが纏っている気分を対比、後半では、題名の通り臨床記録3例を通じて、新しい風を感じさせる。庭の風合い、家の間取り・鉢植えなど映像が浮かび、背景となり、人物像が動き見える。(森鴎外記念館にて、第1回鴎外講座基礎編 鴎外を読む。その人生に沿いながら)