もう一人のミケランジェロ

『2020年、あのせいで、大きく人生が変わった。』後から振り返ると、世界中でどのくらいの人がこうした思いするのだろうか。ミケランジェロ・メリージは、幼い頃、感染症のために父親を亡くした。そのため一家はミラノからカラヴァッジョの町に移住したのは、今から440年以上前のことである。その感染症とは、ベスト。2001年、庭園美術館での展覧会で初めてカラヴァッジョの絵を前にした。殺人罪で逃亡者であったという逸話を知ったのもついこの間、たかが20年ちょっと前であった。光と暗闇、劇的なコントラスト、新しい宗教画の解釈で当時も熱狂させたとある。『西洋美術史上、最大の改革を開いた天才』(p29 1枚の絵で学ぶ美術史 カラヴァッジョ 宮下規久朗著)と記されている。生来の粗暴のため様々なトラブルを引き起こし、あげくに殺人を犯し、逃亡し、最期はあっけなく、38歳で熱病で幕を引いたその画家の作品は、作者の人格を離れて時代を超越して感動を伝えている。いや、その人生背景により観る者の精神性を深化をし、400年以上訴え続けているだろうか。