5年前、知らずに入ったカフェは、ろうあ者が中心になって働くカフェ。注文は、『メニューを指で示してください』と、入店受付に記載があった。厨房内からは、トントンの音だけが響く。静かに料理が運ばれてきた。簡単な手話も紹介されていて、『掌に片手の手を縦にして、トントン(ありがとう)』として食事を終えた。 コロナ禍の中、気になっていたが、足を運び機会なく過ぎていた。訪れてみると、『店内ですか。持ち帰りですか』と表示がまずあり、店内を指で示すと、受付番号ともにQRコードが記載された札を渡された。座席についてから、コードを携帯電話で開くとメニューが登場、そして注文をするという段取りになっていた。トントンと、静かな会話はそのままで・・・