紅葉坂は、今は青紅葉真っ盛り。1年ぶりにこの勾配に向かう坂の上に、演奏会場がある。心拍数が上がり、時の経過の自身の体力の衰えを知らしめる。いや、本日の演奏会への『わくわく』が、心拍数とともに上がる仕掛けにも感じる。その期待通りに、ブラームス「ハイドンの主題による変奏曲」と交響曲「悲愴」が続く。特に、管楽器の響きや支える低音部が心に残る演奏だった。地域に根差すアマチュアオーケストラ、年2回の定期演奏会開催には、どのくらいの練習を重ね、仕上げていくのか。 下りの紅葉坂を、まだ日が高い中、心地よくリズミカルに降りて行く。『また、明日から頑張ろう』と、この勾配と耳に残る音楽が、本当に、後ろから肩をぐっと押してくれた。